79年のヴェスヴィオ噴火

79年のヴェスヴィオ噴火(79ねんのヴェズヴィオふんか、英語: Eruption of Mount Vesuvius in 79 AD、イタリア語: Eruzione del Vesuvio del 79)は、西暦79年8月24日13時頃(異説あり)に現在のイタリア・カンパニア州にあるヴェスヴィオ山で発生した爆発的な噴火である。火山爆発指数はVEI5。噴火の種類はプリニー式噴火であった。

噴火は、大量の軽石、火山灰、火砕流、火砕サージなどによって当時のポンペイ市を、土石流でヘルクラネウム(現エルコラーノ)を埋没させた。ヴェスヴィオ山周辺の古代ローマ帝国の都市とその住人は一日程で壊滅した。これまでに約1,500人の遺体が発見されている。噴火による熱エネルギーは、日本への原子爆弾投下で使用された原子爆弾の、およそ10万倍に相当すると言われている。特に火砕流は、人間の体液を一瞬で蒸発させ頭蓋骨を破裂させるほど、強力な熱量を持っていた。当時のポンペイの温度は300度以上に達していたという研究もある。

ヴェスヴィオ山は、歴史上幾度となく記録的な大噴火を繰り返してきたが、79年のこの噴火は特に著名である。ヴェスヴィオ山はこの噴火以降、472年、1139年、1631年にも大噴火を起こし、多数の犠牲者を出している。

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