ビル・タウィール
ビル・タウィール(بيرطويل 、ラテン文字転写 :Bir Tawil or Bi'r Tawīl)は、エジプトとスーダンの国境地帯にある地域。この地域は、いずれの国家によっても領有権が主張されていない無主地である。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/2e/Satellite_image_of_Bir_Tawil.jpg/220px-Satellite_image_of_Bir_Tawil.jpg)
1899年、イギリスはこの地域の覇権を握り、保護国エジプト王国との共同主権地域とした(英埃領スーダン)。このとき、エジプトとスーダンの境界線 ("Political boundary") は北緯22度線とされた。22度線以南のビル・タウィールの地域は、ハルツームのスーダン総督の管轄下に置かれた。
1902年、イギリスはこの地に新しい行政境界線 ("Administrative boundary") を引き、ビル・タウィールはエジプト側に組み込まれた。この地域が、アスワンを本拠とする遊牧民・アバブダ人の放牧地であり、地理的・文化的にハルツームよりもカイロに近かったためである。このとき同時に、ビル・タウィールの東北側、紅海にかけての22度線以北の地域(ハラーイブ・トライアングル)がスーダン側に組み込まれることになった。ハライブ一帯の遊牧民がスーダン側を拠点としていたためである。
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