ラ・ケマーダ(La Quemada)は、メキシコ、サカテカス州マルパソ(Malpaso)河谷にある標高2100mほどの丘陵を利用して築かれた古典期後期の祭祀センターである。0.5km2の範囲にアクロポリスないしは「城塞」と呼ばれる建造物群やそこから南東にやや離れた場所に「誓いのピラミッド」、「列柱の間」と呼ばれる建物を含む南グループなどの建造物群が全体として南北方向に分布している。ラ・ケマーダの立地はマルパソ河谷から南方へ向かう交易路をおさえる要衝であり、後述するように交易によっても繁栄した。
もともとは、チャルチウィテス文化の祭祀センターのひとつと考えられてきたが、現在はマルパソ河谷独自の別個の祭祀センターと位置付けられている。1951年と1963年に調査を行ったペドロ・アルミリャス(Pedro Armillas)によって紀元480年から1200年にわたって営まれたとされた。その成果をもとにマルパソ(Malpaso)河谷の三期の編年が作られた。ただし、最近の40個に及ぶ炭化物のサンプルの放射性炭素年代測定によって、ラ・ケマーダ自体は、紀元500年から900年の間に営まれ、全盛期は、紀元650年から750年頃と考えられるようになった。
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