セトゥーバル(ポルトガル語: Setúbal [sɨˈtuβal, -βɐl] ( 音声ファイル))は、セトゥーバル県の県都であり、リスボン都市圏の最南端に位置するポルトガル第4の都市である。ポルトガル第9位の人口を誇る。
古代ローマがこの地を支配する以前、フェニキア人が交易拠点としてこの地を訪れていたとされる[1]。古代ローマ時代の天文学者であり地理学者でもあったクラウディオス・プトレマイオスは、セトゥーバルからサド川を挟んだ対岸にあたるトロヤ半島について、紀元前1世紀ごろに塩田が存在し、カイトブリガという町があったと記している[2]。カイトブリガは、古代ローマ時代に漁業と交易で栄えた町であったとされる。その後、町の中心機能はサド川を挟んだ北岸の現在のセトゥーバル付近に移動し[3]、イスラム帝国時代にはセトゥーバル(شَطُوبَر [ʃeˈtˤuːbɑr])と呼ばれるようになった。ポルトガル大航海時代には大西洋に面したセトゥーバルは重要な町として栄えたが、1755年に発生した大地震で街区が破壊された。19世紀後半になり、鉄道(現在のLinha do Sul)が開通すると共にポルトガルで初めての魚介類の缶詰工場が開設[4]され、セトゥーバルはポルトガルの漁業(特にイワシ漁)およびその関連産業の中心地として再び発展した。20世紀になると、肥料・セメント・製紙・金属加工・造船などの各種の製造業がこの地に生産拠点を置くなど、世界的な工業化の進展によりこの町の産業構造にも変化が生じた。セトゥーバルは暫くのあいだ工業都市として栄えたが、20世紀末にはこれらの産業の多くは衰退し、街は大量の失業者で溢れた[4]。近年は、自動車産業を中心にガラス・製薬・電機関連の工場が操業[1]している他、手付かずの自然が残されているアラビダ自然公園やイルカのコロニーが点在するサド川、セトゥーバルに所属しないが、サド川の南岸に松林と砂浜が拡がる風光明媚な土地であるトロヤ半島への観光拠点へと成長している。
^ a b World Port Source, Port of Setubal http://www.worldportsource.com/ports/review/PRT_Port_of_Setubal_1102.php ^ The Princeton Encyclopedia of Classical Sites : TROIA (“Caetobriga”) Alentejo, Portugal. http://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.04.0006:id=troia ^ Troia Roman Ruins http://portugaldreamcoast.com/en/2013/04/troia-roman-ruins/ ^ a b 欧州理事会 Intercultural Cities Programme City of Setúbal visit report https://www.coe.int/t/dg4/cultureheritage/culture/Cities/Spain/ICC_Setubal_report.pdf
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