のコンテキスト ワハーン回廊

ワハーン回廊(パシュトー語: واخان دهلېز ラテン文字転写:wāxān dahléz, ペルシア語: دالان واخان‎ ラテン文字転写:dâlân vâxân, 中国語: 瓦罕走廊 拼音: Wǎhǎn Zǒuláng)とは、アフガニスタン北東のバダフシャーン州に位置する東西に細長く伸びた回廊地帯。ワハーン渓谷ワハン回廊とも。

詳細について ワハーン回廊

Population, Area & Driving side
  • 人口 12000
  • 領域 10300
履歴
  • かつてはタクラマカン砂漠を通って東西を結ぶシルクロード、いわゆる「オアシスの道」の一部をなす重要な経路であった。19世紀にはグレート・ゲームの主要な舞台となる。1890年に、フランシス・ヤングハズバンドが南下するロシア帝国のブロニスラフ・グロンブチェフスキー率いるロシア軍兵士にワハーン回廊のボザイ・グンバズで拘束されそうになる事件が発生し、1891年に英領インド帝国はフンザ藩王国とナガル藩王国を相手にフンザ・ナガル戦争を開始した。その結果、親英のアフガニスタンに組み込まれ、イギリス・ロシア両勢力間の緩衝地帯となった。

    地政学的に極めて重要にもかかわらず、厳しい気象条件、険しい地形など外部から人を寄せ付けない要素が重なり、中央の支配や軍事的な関心が及ばない地域となっている。1970年代のソ連によるアフガニスタン侵攻、ソ連撤退後の内戦状態、2000年代のタリバンによる国土支配とその後の内戦などとも無縁のまま、ワハン人およそ1万2000人とキルギス人遊牧民1,100人ほどの住民は、回廊内でひっそりと暮らしている[1]。

    2018年8月、国境を接する中華人民共和国がバダフシャーン州に中国人民解放軍の軍事基地を建設しているとする報道が各国メディアでなされ[2][3][4][5]、中国政府は否定した[6]。翌2019年2月、ワシントン・ポストがワハーン回廊に繋がるタジキスタンとアフガニスタンの国境にある中国軍の駐留施設を衛星写真や現地取材を基に報じるも[7]、タジキスタン政府は否定した。

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    かつてはタクラマカン砂漠を通って東西を結ぶシルクロード、いわゆる「オアシスの道」の一部をなす重要な経路であった。19世紀にはグレート・ゲームの主要な舞台となる。1890年に、フランシス・ヤングハズバンドが南下するロシア帝国のブロニスラフ・グロンブチェフスキー率いるロシア軍兵士にワハーン回廊のボザイ・グンバズで拘束されそうになる事件が発生し、1891年に英領インド帝国はフンザ藩王国とナガル藩王国を相手にフンザ・ナガル戦争を開始した。その結果、親英のアフガニスタンに組み込まれ、イギリス・ロシア両勢力間の緩衝地帯となった。

    地政学的に極めて重要にもかかわらず、厳しい気象条件、険しい地形など外部から人を寄せ付けない要素が重なり、中央の支配や軍事的な関心が及ばない地域となっている。1970年代のソ連によるアフガニスタン侵攻、ソ連撤退後の内戦状態、2000年代のタリバンによる国土支配とその後の内戦などとも無縁のまま、ワハン人およそ1万2000人とキルギス人遊牧民1,100人ほどの住民は、回廊内でひっそりと暮らしている[1]。

    2018年8月、国境を接する中華人民共和国がバダフシャーン州に中国人民解放軍の軍事基地を建設しているとする報道が各国メディアでなされ[2][3][4][5]、中国政府は否定した[6]。翌2019年2月、ワシントン・ポストがワハーン回廊に繋がるタジキスタンとアフガニスタンの国境にある中国軍の駐留施設を衛星写真や現地取材を基に報じるも[7]、タジキスタン政府は否定した。

    ^ “戦火さえ来ない最果ての地、アフガニスタンのワハン回廊”. AFP (2018年3月11日). 2018年3月15日閲覧。 ^ Kucera, Joshu (2018年1月7日). “Report: China Building Military Base on Afghan-Tajik Border”. EurasiaNet. http://www.eurasianet.org/node/86661 2018年1月8日閲覧。  ^ У границы с Таджикистаном появится новая военная база афганской армии” (Russian). Ferghana Information Agency. (2018年1月3日). http://www.fergananews.com/news/27754 2018年1月8日閲覧。  ^ Aneja, Atul (2018年1月10日). “China to fund base in Afghanistan”. The Hindu. http://www.thehindu.com/news/international/china-to-fund-base-in-afghanistan/article22413549.ece. "Fergana News Agency(FNA) has quoted Gen. Dawlat Waziri of the Afghan Defence Ministry as saying that China will provide financial support to build the base, whose precise location inside Badakshan, in northern Afghanistan, is yet to the determined. Gen. Waziri said that the Chinese side would cover all material and technical expenses for this base — weaponry, uniforms for soldiers, military equipment and everything else necessary for its functioning."  ^ Toktomushev, Kemel (2018年1月18日). “China’s Military Base in Afghanistan”. The Diplomat. オリジナルの2018年1月17日時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20180117181211/https://thediplomat.com/2018/01/chinas-military-base-in-afghanistan/ 2018年1月17日閲覧。  ^ “China is helping Afghanistan set up mountain brigade to fight terrorism”. サウスチャイナ・モーニング・ポスト (2018年8月28日). 2018年8月30日閲覧。 ^ “In Central Asia’s forbidding highlands, a quiet newcomer: Chinese troops”. ワシントン・ポスト (2018年8月28日). 2018年8月30日閲覧。
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