ミサ

ミサ(ラテン語: missa, 英: mass)は、カトリック教会においてパンとぶどう酒を聖別して聖体の秘跡が行われる典礼(祭儀)。司教または司祭が司式し、信者全体が捧げるものとして位置づけられており、カトリック教会で最も重要な典礼儀式である。

カトリック教会における他の典礼や、キリスト教の他教派における礼拝(公祈祷)一般をまとめて「ミサ」と呼ぶ事例がマスメディアや書籍などで散見されるがこれは誤りである。「ミサ」とは、本項で詳述するカトリック教会における聖体の秘跡にかかる典礼だけを指す語彙である。カトリック教会のミサは、正教会では聖体礼儀に、聖公会およびプロテスタントでは聖餐式に相当する。なお、カトリック教会以外(正教会およびプロテスタント教会)では「ミサ」という表記は全く使われない。教派や祈祷の種別を問わない場合は「礼拝」という表現を使うのが無難である。                      

ミサの様式は世界共通で、大多数の地域のカトリック教会で「ラテン典礼」と呼ばれる様式によって行われ、『開祭』『ことばの典礼』『感謝の典礼』『閉祭』という四つの部分で構成される。

古代以来1960年代までラテン典礼におけるミサはすべてラテン語で行われていたが、第2バチカン公会議以降の典礼改革により各国語でも行われることになった。

日本では、1978年に日本語版『ミサ典礼書』が教皇庁典礼秘跡省より部分認証され、暫定的に日本語で行われたが、2002年に『ローマ・ミサ典礼書』ラテン語規範版第3版が発行され、2021年5月に「ミサの式次第と第一~第四奉献文」、「ミサの結びの祝福と会衆のための祈り」、「水の祝福と灌水」が、同省より認証され、それに従い日本語では『開祭』『ことばの典礼』『感謝の典礼』『閉祭『という四つの部分で構成されたミサが行われる。