サンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂(Basilica di Sant'Apollinare in Classe)は、イタリアのラヴェンナ近郊にあるビザンティン建築の教会堂。ビザンティン総督府として隆盛を誇った最盛期のラヴェンナを物語る遺構で、アプスにあるモザイク画が有名。東ゴート王国の女王アマラスンタの命により、6世紀中期に建設された、現存する非常にすばらしい初期キリスト教建築のバシリカのひとつである。
聖堂のあるクラッシス(現クラッセ)は、かつてラヴェンナ北部約5kmに設けられた港町であったが、現在は堆積物によって海岸が後退し、内陸部の小さな寒村となっている。
サンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂は、ラヴェンナ司教ウルシキヌスにより、当時ラヴェンナの外港であったクラッシスに聖アポリナリスの記念教会堂として建設された。他のラヴェンナに残るビザンティン建築と同じく、この教会堂の建設経緯について知られていることは少ないが、建設資金の一部は、サン・ヴィターレ聖堂と同じく東方の銀行家ユリアヌスによって提供されたことが確認されている。完成は549年で、司教マクシミアヌスによって献堂された。
この教会堂が捧げられた聖アポリナリスはラヴェンナの初代司教とされるが、5世紀頃まではあまり有名な聖人とは言えず、聖ペテロの弟子とする伝承は後年に形成されたものである。発掘調査では聖堂の平面内には聖人にまつわる墓所などは発見されなかったので、聖堂自体は聖アポリナリスの墓があったと伝えられる墓地に隣接して建設されたものと考えられる。595年以降、765年に至るまで、歴代のラヴェンナ司教はこの聖堂に埋葬された。
11世紀になって、北東部に高さ38mの円筒形鐘楼が建設された。また、18世紀に身廊壁面のメダイヨンにフレスコ画の肖像が画かれている。アプスの左右にある小室も創建後の増築である。
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