キジル石窟(キジルせっくつ、中国語:克孜爾石窟、Kèzīĕr shíkū、ウイグル語:Qizil Ming Öy)は、中華人民共和国新疆ウイグル(維吾爾)自治区アクス(阿克蘇)地区バイ(拝城)県キジル(克孜爾)郷にある仏教石窟寺院の遺跡群。キジル千仏洞、キジル石窟寺院とも呼ばれ、新疆では最大の石窟である。
1961年公布の中華人民共和国全国重点文物保護単位の一つに指定されている。2014年には「シルクロード:長安-天山回廊の交易路網」の一部として世界遺産に登録された。
キジル石窟前の広場に最近建てられた鳩摩羅什の像
キジル石窟が造られたのが3世紀の中頃から8世紀の間とされており、その時代にこの地を支配していたのは古代仏教王国の亀茲(きゅうし)国であった。亀茲国は早い時期から仏教を信奉しており、4世紀中頃の『出三蔵記集』には「時に亀茲の僧衆一万余人」、「寺が甚だ多く、修飾至麗たり。王宮は立仏の形像を彫鏤し、寺と異なるはなし」などと記録されている。
亀茲国にいつごろ仏教が伝わったのかは明らかでないが、中国側の史料によれば、すでに3世紀末から4世紀初めにかけて相当数の亀茲出身の僧侶が中国で仏典翻訳に従事していたという。中でも有名なのが4世紀前半から5世紀前半に活躍した亀茲出身の鳩摩羅什(クマーラジーヴァ、Kumārajīva)である。
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