उत्तर सेंटीनेल द्वीप

( 北センチネル島 )

北センチネル島(きたセンチネルとう、North Sentinel Island)は、インド洋東部ベンガル湾内に所在する未開の島。インド領アンダマン諸島に所在し、南アンダマン島の西約30kmに位置する。この島の先住民であるセンチネル族は外部との接触を強く拒否しており、行政当局も何度も追い返されている。行政当局は感染症の流行による民族絶滅の可能性もあるため干渉しない方針であり(いわゆる非接触部族)、インドの法律で島への接近は禁止されている。

さまざまな研究から、センチネル族は数万年前(最も古い見積もりでは6万年以上前[1])にアフリカから移住してきたと考えられている[2]。センチネル族の話すセンチネル語は、アンダマン諸島に住む他の部族の言語(アンダマン諸語)と大きく異なるとされ、数千年のあいだ他の島と交流せずに暮らしてきたとも考えられている[3]。

18世紀〜20世紀

18世紀にイギリス人がこの島を訪れた[1]。

1880年に、当時の統治国であるイギリスが初めて島を探検、住人6名を捕えポートブレアに連行しているが、2名が病死したため、残りは島に戻された[3]。このことがセンチネル族の外部への攻撃性を高めたという指摘もある[1]。

インド独立後

20世紀後半、インド政府はアンダマン諸島の先住民族との接触を進めた[2]、その一環として、この島の住人であるセンチネル族との接触も試みられてきた[4]。しかしその試みの多くは、海岸から矢や槍を放たれて拒絶された[4]。

唯一の「友好的な接触」

1991年、インド国立人類学研究所 (AnSI) の人類学者を含むチームが2度にわたり住人と接触した[4]。2018年の記事によれば、これが唯一の「友好的な接触」であったとされる[4]。

チームに参加していたAnSIの研究員マドゥマラ・チャトパディヤエ(英語版)によれば、1991年1月におこなわれた1度目の訪問では、弓を携えた住人たちに出迎えられたものの、チームがボートから彼らに向けて流したココナッツを回収した。弓矢を構えた若い男性の住人もいたが、ココナッツを受け取りに来るよう(アンダマン諸島の他の民族の言語で)呼びかけたところ、隣にいた女性に促されて矢を降ろし、ココナッツを拾った。何人かの男性はボートを触りに来た。その行動は、私たちを恐れていないことを示していると思われる。またチームは砂浜に上陸した。ただし住人たちが村にチームを案内することはなかった[4]。

1か月後、より多くの人数のチームで島を訪問したところ、住人たちは武器を携えずに出迎えた。チームが浮かべたココナッツが受け取られ、住人たちはやがて船に上がり込んでココナッツを袋ごと持って行った。一方で彼らの装身具(葉でできたもの)を手に取ることは拒絶された[4]。その数か月後、3度目の訪問が実施されたが、悪天候のために砂浜に住人は出ておらず、接触は失敗した[4]。

不干渉への方針転換

1991年の接触の後、当局の方針は転換した[4]。島民は、多くの病気に対する免疫を持っていないと考えられる[4]。同じアンダマン諸島に住む未接触部族であったジャラワ族は、外部との接触が増えた結果として伝染病の流行に苦しみ、社会が崩壊した[2]。こうしたことを踏まえてセンチネル族に対しても積極的に接触を試みないことになり、政府の交流プログラムは1996年に中止された[5][3][6]。

2004年のスマトラ島沖地震に際しては、安否確認のために訪れたヘリコプターに対して矢を放つ姿が確認された[1]。

2006年には、カニの密漁をしていたインド人2人が、寝ている間にボートが流され、北センチネル島に漂着した結果、矢を射られ殺害された。インド政府は2人の遺体を回収しようとヘリコプターを派遣したが、住民から矢と投げ槍で攻撃されたため、遺体は回収することができなかった[7][2]。殺人事件であるが、島が「現代社会の一部ではない」として、警察の捜査もされず放置されている[8]。

2018年の宣教師殺害事件

2018年11月16日には、漁船を雇って島にカヌーで単身接近し、住民をキリスト教に改宗させるために上陸しようとした自称冒険家[2]の宣教師ジョン・アレン・チャウ[9][10][7][2](アメリカ合衆国ワシントン州在住で中国系アメリカ人の26歳男性)が住民に弓矢を射掛けられ、傷を負った所を首に縄をかけられて死亡した[11][1]。

この人物は観光査証でインドに入国し、アンダマン・ニコバル諸島への入域許可も得ていたというが[11]、この島への接近・上陸は違法行為である[11]。漁船を雇って11月14日夜に島に接近、15日以降繰り返し接触を試みたが2度失敗、3度目に殺害された[2][1]。

男性の遺体は砂浜に埋められている模様だが、回収は困難という[2][7]。インド政府は宣教師に協力した漁師たちとエンジニア1名、計画に携わった別の宣教師1名の合計7名を「過失殺人」の罪で逮捕した[2]。

この宣教師は終末思想を奉じる福音派の教団に属しており、地上のすべての国々の民にキリストの教えを伝える、という宗教的信念に基づいての行動とみられる[6]。北センチネル島上陸の試みもこれが初めてではなく、2016年・2017年にも行っていた[6]。宣教師の行動は欧米メディアでも総じて批判的に報じられている[6]。

インドの法律に違反した不法侵入であることや[6]、一方的なアプローチが先住民族の権利を侵害するもので(2007年の「先住民族の権利に関する国際連合宣言」には、未接触部族が孤立して暮らす権利を支持している)[6]、「見当違い」な「思想の押し付け」であると[6]批判される。殺害された宣教師には、その年最も「驚くべき愚行」によって死亡した人物を(皮肉交じりに)顕彰するダーウィン賞が授与された[12]。

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写真提供者:
NASA Earth Observatory image created by Jesse Allen, using data provided by the NASA EO-1 team. - Public domain
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